新君の様子を見に行くと、なんと新君がスレでデカい鱗をつりあげていた・・・!
イトウなのかは定かではないが、これは明らかにメーターに迫る勢いの魚の鱗である。
この川にメーター近い魚がイトウ以外に住んでいるのか!?
グッと高まるイトウへの期待感。2人のキャストにも自然と力が入る。
下流へ移動し、瀬周りを打っていると、岸際でボイルが発生!
続いて対岸でもボイルが発生し、ボイル撃ちを展開するが・・・残念ながらヒットには持ち込めない。
そうこうしているうちに完全に潮止まりを迎え、流れが緩んでしまった。
一旦釣りを切り上げ、休憩を挟んで上げ潮を狙って河口近くの本流と支流への出会いのポイントへやってきた。
上げ潮が効き始め、川は逆流を始めている。
水中に障害物が点在しているようで、「如何にも」イトウが潜んでいそうなヨレが出来ている、緊張感の張り詰めるポイント。
あとからわかった事だが、前日の雨で川が濁っていて、この日は魚の活性が高かったようだ。
障害物の裏に出来るヨレでターンの頂点を迎えるように操作し、ミノーをドリフトさせていきながら、無数に出来るヨレを1つ1つチェックしていく。
幾つ目かのヨレの裏側でミノーがターンの頂点を迎えて挙動が変わった瞬間。
偏光グラス越しに赤い魚が「ユラッ」と出て来てバイトしたのが見えた。
直後、トルクたっぷりの引きで流れに乗って抵抗する魚。満月にしなるロッド。
「喰った!新君!イトウだ!!!」
ローリングしながら下流へ走るイトウをロッドで溜めて水面へ誘導する。
トルクたっぷりの引きをいなし、シャローへ少しずつ寄せる。
やがて水面に現れた姿は間違いなく憧れの魚「イトウ」!!
水面で大暴れしたが、水際まで降りてくれた新君のアシストで無事にネットイン・・・!!
やった!憧れのイトウをこの手で掴んだ・・・!
サイズは勇敢な顔つきをした70cmジャスト。
産卵行動を終えたオスの個体で、頭部にはオス同士で争ったような幾つもの傷がありました。
初めて見る本物のイトウは、いつまでも見ていたくなるくらいカッコ良かったけど・・・
「早く逃がしてあげよう」
元気に川へ帰って行ってくれれば、きっといつかこの地を訪れた時にまた会えるはず。
産卵床を掘ったのか、ヒレや身体も傷が見受けられた個体だったので一度も水から上げる事無く、キャッチ後は速やかに数枚の写真を撮影してリリースしました。
憧れの魚をキャッチした余韻で一杯になり、沸々と沸き上がる充実感。
勇敢な顔つきと、頬の辺りのメタリックシルバーの上に散りばめられた黒点、本当にカッコ良かったな・・・。
その後、日没までキャストを続けるが2人共反応を得る事は出来なかった。
やはりイトウは一筋縄ではいかない。
そういう魚だからこそ夢があるし、憧れるんだよね。
今日のタックルについて触れておきます。
使用したロッドはジャンプライズのプロトロッド「オールウェイク 92フィネス」
全体的に良く曲がりこむロッドであり、「フィネス」と言う名前が付いているが、イトウのトルクのある引きをしっかり溜め込めるだけのバットパワーをしっかり兼ね備えていました。
振り抜けも良く使い、グリップの長さも取り回しやすい長さで使い勝手はとても良く、遠征中ストレス無くロッドを振り続ける事が出来ました。
ランディングツールは魚の粘膜や鱗の保護を考え、ゴールデンミーンのウエーディング用ラバーネットを使用。
キャッチ直後もカメラの準備が出来るまでの間、イトウをネットに入れて水に浸けたまま陸へ上げずに済んだお陰で、魚へのダメージも少なく済みました。
枠の大きさも申し分なく、イトウのランディングツールとして良い選択肢だったと思います。
ルアーはサーフェスウイング120F、HRFカスタムのオリカラにシングルバーブレスフックを前後に装着して使用しました♪
夜は素泊まり宿へ帰って2人で祝勝会。
新君は僕の魚を自分の事のように喜んでくれた。
お酒もそこそこに、翌日の釣りに備えて睡眠をとる事に。
布団に入った後も、イトウがヒットして水面を割った姿が脳裏に焼き付き、なかなか眠れなかった事を覚えている。
Day3 (実釣2日目) AM3:00
北海道の夜明けは早い。
3時で既に東の空は赤く染まっている。
2人共朝から気合を入れて早起きし、辺りが明るくなったのを見計らって釣り場へ向かう。
今日は距離よりもピンポイントキャストメインの釣りを展開したかったので、ベイトタックルを選択。
ロッドはリップルフィッシャー フロウズ810のオリジナルベイトカスタム。リールはハンドルをスタジオコンポジットで武装したエクスセンスDC。
AM4:00 キャスト開始!
早朝の河辺に甲高いDC音が響き渡る。新君は僕の下流でキャストを続けるも、お互いアタリはないまま朝マズメは終わった。
ボイルも無く、昨日とは打って変わって魚っ気が無いのが不安だった。
そのまま投げ続けてデイゲームへ突入。
昼はひたすらチャタビー68のリフト&フォールでリアクションを狙った釣りを展開。
釣果は30~40cmくらいのアメマスが2匹!
まさかのアメマスのヒット。
ずっと魚が釣れない時間が続いただけに、地味に嬉しかった(笑)
リフト&フォールのフォールで、またゴンときました♪
川と海を行ったり来たりしてるのかな??小気味良い引きに癒されました。
昼はお店で美味しい生きたホタテを目の前で焼いて頂き、バターを乗せて食べる事に♪
まさに絶品!ホタテって貝の中でも本当美味いですよね~!
午後から移動するも反応は無い。
折れ掛けた心を何とか繋ぎ止めてキャストを続ける2人に、イトウは再び姿を現してくれるのか?
後編へつづく!